アカハラの野鳥日誌

ただの日記

旅鳥に会いに行く アジサシ達の楽園編 in葛西臨海公園(後編) 

葛西臨海公園の水鳥たち

 京葉線谷津干潟の最寄駅(南船橋)から葛西臨海公園駅へ。鳥見始めてから一乗ってる電車が京葉線になったような気がする(笑)。

 葛西に着いて一番最初に向かったのは鳥類園。ここでは前にコチドリに会うことができた。今回もいるかな?

 いた!(笑)

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追いかけっこしていた。

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近くにも来た。

 更にこの干潟のわきにあるヨシ原ではオオヨシキリがさえずっていた。どこにいるかお分かりだろうか?

ギョギョシ、ギョギョシ、ケレッケレ! 今年もこの鳴き声を聞く時期になった。

更にここにもキアシシギ

渚へ。

 葛西臨海公園で鳥を見ると言ったら、なんといっても渚。東なぎさでは冬には何千羽ものスズガモとカンムリカイツブリの群れに会うことができる。ユリカモメも相当多い。

何千羽もいたのに、1羽取り残されてしまったカンムリカイツブリ

 だが、今の季節は初夏。すっかり渚に群れている鳥の種類も変わっていた。そう、初夏の渚はアジサシとコアジサシの楽園だった。

冬にユリカモメが止まっていた杭。すっかりアジサシとコアジサシに変わっていた。

 とはいえ実は、上の写真にはコアジサシ(夏鳥)は1羽しか写っていない。真ん中のくちばしの黄色い子がコアジサシである。他は全部旅鳥でまもなくいなくなってしまうアジサシだ。

時折来る船やヘリに驚いて乱舞する。

近くの杭にも。止まっているのがアジサシ、飛んでいるのがコアジサシ

 アジサシの仲間の鳥は本当にすごいと思う。1年中、地球の各地の海辺を飛び回り食糧を求めて移動をし続けているのだから。日本では稀にしか見られないが、キョクアジサシという鳥がいる。彼らは世界で最も長い渡りをする鳥として知られる。北極から南極へ、更に東西の移動も自由自在の彼らは人間なんかよりもよっぽど地球のことに詳しいのだろうと思う。

 そんなアジサシ達の美しさに心を奪われ、見とれているうちに1時間も経過していた。ここで私の目の前で奇跡が起こった。コアジサシの求愛給餌だ。

コアジサシの♂(右)と♀(左)

 それは一瞬の出来事だった。杭の上に止まっていた♀のもとにどこからか魚をくわえた♂が飛んできた。そしてその魚を愛する♀にプレゼントして去っていった。求愛給餌と呼ばれるこの行動はカワセミやヤマセミにも見られるそう。日本で繁殖をするコアジサシ。初夏は繁殖に備え、パートナーの気を引こうと♂は必死である。


旧江戸川へ

 アジサシたちの乱舞への感動が大きかったので、もうこのまま今日の探鳥は終わりにしても良かったのだが、せっかく葛西に来たので、東京と千葉の舞浜の県境を流れる旧江戸川の方にも行くことにした。

 そこではキョウジョシギとミヤコドリ(葛西では初めて)を見ることができた。

ミヤコドリは黒と白とオレンジ色のくちばしが目立つ。キョウジョシギもいるのだが、保護色で分かりにくい。

 更に近くの干潟ではチュウシャクシギの姿も見られた。と思ったら、明らかにチュウシャクシギの嘴よりも長い。なんと、ホウロクシギではないかっ!!

このくちばしの長さは異常。

日本で見られるシギの中では最も大きいと思う。

 かなり遠い場所にいた。他のシギは全くいない場所で、一匹オオカミとして採餌に夢中だった。似たようなシギにダイシャクシギなるものがいるが、羽の色合いからホウロクシギとして判断。初見初撮り♪。150種類目くらいか?

 

 シギ・チドリ、アジサシの渡りの時期、ちょっと海に行くだけでこんなにも多くの種類の鳥に出会うことができる。首都圏も捨てたものではないなと思わされた120%満足の今回の探鳥であった。

今回見られた野鳥

谷津干潟

ツバメ
カワラヒワ
エナガ
メジロ
ドバト
キジバト
ハシボソガラス
ハシブトガラス
スズメ
ヒヨドリ
ムクドリ
コゲラ
カイツブリ
ハシビロガモ
スズガモ
カルガモ
アオサギ
コサギ
ダイサギ
ダイゼン
トウネン
ハマシギ
チュウシャクシギ
オオソリハシシギ
キョウジョシギ
オバシギ
キアシシギ
イソシギ
メダイチドリ
コアジサシ
計30種類


葛西臨海公園

ハシボソガラス
ハシブトガラス
ドバト
キジバト
スズメ 
ハクセキレイ
ツバメ
アマツバメ
メジロ
シジュウカラ
オオヨシキリ
サンショウクイ
ムクドリ
ヒヨドリ
オナガ
カワラヒワ
イソシギ
キョウジョシギ
チュウシャクシギ
ホウロクシギ
キアシシギ
コチドリ
ミヤコドリ
アジサシ
コアジサシ
ミサゴ
カワウ
ウミネコ
アオサギ
コサギ
ダイサギ
カイツブリ
カンムリカイツブリ
カルガモ
スズガモ
オオバン
計36種類